犬vs猫のコメディ。
犬と猫の特徴、そして人間のもつ犬猫のイメージを、コメディとして昇華している感じが良かった。
でも一方で、猫を勝手に悪として描くのって、猫派の人と猫自身からすると不服だろうなとも思った。
そして、猫に対する悪い印象を人々に植え付けかねないよな、とも。
今作は子供向けに作られた作品だと思うし、自分も子供の頃に繰り返し見ていた訳だが、幼い頃に見た映画の影響は計り知れないものがあると僕は思っている。
子供って好きな作品を何度も見たがるし、まっさらな脳みそだからこそ、より刷り込みが起きやすいんだと思う。
だからこの作品を見ると、映画だけでなく現実でも犬には良いイメージを、猫には悪いイメージを持ってしまう可能性も十分にありえることだと思う。
まぁ、でもそこはそんなに真面目にならなくていいのかな。軽くコメディとして見ればいいのなか。そんなツッコミを入れずに楽しんじゃえばいいのかな、とも思ったりする。
犬と猫に抱く感情とか思考ってそこまで重大な話じゃないだろうし、深刻に考える必要はないだろうと。
ただ、二項対立で物事を理解する人間の脳を理解すると、二項対立をベースにした映画における影響力は、良い悪いに関わらず、知っておくべきことなんだとも思う。
一つ言えるのは、子供が見る映画やアニメ、ドラマの類は教養ある大人がちゃんと考えた上で選んであげるべきだということだ。やたらめったに子供の好きなように好きなものを見せてもいい訳ではないと思うのだ。ホラーやサスペンス、エログロ、視覚的な恐怖を与えるようなものは見せない方がいいだろう。それがトラウマになったり、子供の人生や人格形成に多大な影響を及ぼしかねないからー。
しかし、視聴を推奨すると途端に見たくなくなり、視聴を禁止すると途端に見たくなるのが、人間の不思議なところである。
だからうまいこと、子供がいい感じな作品に手を伸ばし、微妙な感じな作品には手を伸ばさない環境作りや周囲の言葉掛けが大切になってくるんだと思う。
最後に、二項対立の代表的なものをあげる。
善と悪
過去と未来
男と女
自責と他責
悲観と楽観
そして、その間には余白がある。
余白の中には登場人物の揺らぎがある。
その揺らぎが物語になる。