戦地に送り出される馬と北海道へお嫁にいくお姉さんをイコールでつないでいて、これはよく考えると静岡から北海道への強烈なディスのようにも思われるのですが、まぁシンプルに出会いと別れの切なさを考えればよしということで、細かいことはさておき。
音楽シーンのトリップ感がすごくて、やっぱりとくに湯浅政明が担当している「買い物ブギ」の異物感、カッコよさはすごい。原作のあとがき的なものによると、最初の音楽シーンの「1969年のドラッグレース」も湯浅政明の発案によるものらしく、ロールスロイスが清水市から南国までドライブしちゃうその発想がドライブしすぎ。
個人的に好きなのは花輪くんの好きな曲、インドネシアの歌謡ダンドゥットのシーン。曲もさることながら、映像のインド映画感がすごい。だいたいダンドゥットなんてはじめて聴いた。花輪くんって、嫌味なことを嫌味なく言えるからすごい。
その他、山田の描いた、傷だらけなのに元気いっぱいそうなローラやB級男子3人組のビートルズなど、さくらももこの音楽愛にあふれた小ネタが満載だった。
最後の走るまるちゃんもグッとくるし、伏線回収ばっちりの万歳も泣ける(細かいことを気にしなければ)。