ぬーたん

マーニーのぬーたんのレビュー・感想・評価

マーニー(1964年製作の映画)
3.7
1964年ヒッチコック晩年の作品。ラストから5作目。評価は今一つだけど、恐怖の描写はやっぱりさすが。マーニーは主役の名前だが以前は『マーニー/赤い恐怖』という邦題が付いていた。これは赤を怖がる主人公からだが同じくヒッチコックの『白い恐怖』と似ているため既視感がある。白の方は45年でまだ白黒だ。今作はカラーで赤が映える。
マーニーをティッピ・ヘドレン。90歳の今も健在。メラニー・グリフィスは娘、ダコタ・ジョンソンは孫、と美人女優3世代。今作の前年に『鳥』でスクリーンデビュー。賞を獲り一躍スターに。デビューとは思えないほど迫真の演技だったが、実際に鳥に引っかかれ傷だらけだったらしい。ヒッチコックはお気に入りのグレース・ケリーで考えていたが無理だったためCMを観てティッピを起用。ヒッチコックに見出された新人女優はラッキーだったはず。実際次の作品である今作にも起用。ヒッチはティッピにぞっこんで迫ったとか…おい、幾つだよ?ブロンドに弱い困ったオッサンだね😅結局はこの作品を最後にティッピは去って行った。ヒッチがティッピに振られるの巻!
ティッピはそれこそ”クールビューティ”で冷たい感じ。体も細くて『めまい』のキム・ノヴァクのような豊満で色気があるタイプとは違って、スラリとしたバービー人形のようなブロンド美人だ。
お相手はショーン・コネリー。89歳健在だが、既に2006年に引退。年取ってからのコネリーは渋くて好きだが、この頃のコネリーはどうも好きになれない。007のボンドのイメージもあるが、ヒッチコック作品には強過ぎて似合わない。ケイリー・グラントやジェームズ・スチュアートなど紳士的な俳優とは大分違う男性ホルモン全開タイプだったし。ただ、ニコラス・ケイジといい勝負の胸毛には目が行き…。188㎝で逞しい体、守ってくれそうながっちり体型。女性に弱いのはボンドと同じ。
コネリーの義妹役はダイアン・ベイカー。綺麗で若い。82歳だそう。みんなお元気で長生き。
後ろ姿や話だけだったマーニーが最初に顔を出すシーン、上手いねえ。もうこれだけで満点付けたい。一番好きなのは金庫から去るシーン。右半分は金庫、左に掃除婦。このカメラの上手いこと。そして靴。ドキドキ・ハラハラ。そしてその終わり方も完璧。乗馬のシーンもスリルがあった。ヒッチコック作品はだいたい観てるが、こうして数10年振りに観て、覚えているシーンやラストでもまた楽しめる。
ラストは今一つ盛り上がりに欠けるが…。全体にインパクトは弱めだし、ちょっと無理があるような設定もあるが、やっぱり面白かった。
今回はヒッチコック、早めに大胆に出演。ちょっと笑える。
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