男はくらいよ監督さそり

ミニヴァー夫人の男はくらいよ監督さそりのレビュー・感想・評価

ミニヴァー夫人(1942年製作の映画)
4.5
ローマの休日、ベンハ―、コレクターと名作ばかりのワイラー監督でもこれが最高作でしょう。1942年とほぼリアルタイムの戦時中の反戦映画。ダンケルクの救出を市民側から描いている。平凡な日常が戦争で壊される様を薔薇の品評会をクライマックスに、結婚や死が描かれる『この世界の片隅に』の原点とも言える名作。ミニヴァー夫人のグリア・ガーソンが気品があって美しく、若い娘のテレサ・ライトが可憐。その祖母の頑固なデイム・メイ・ウィッティにも傷ついた過去がある事を殆ど家の中の演技だけで描いてしまうのが流石に巨匠ワイラーだ。『素晴らしき哉、人生!』の天使役のヘンリー・トラヴァースもいい味出してる。アカデミー作品賞、監督賞、グリア・ガーソン主演女優賞、テレサライト助演女優賞、と6部門受賞した名作の力強さが全編に漂う。