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ペネロピのAPのレビュー・感想・評価

ペネロピ(2006年製作の映画)
3.6
ここまで惜しいなぁ〜と思わされた映画もなかなかないです。2年くらい前に"A.I."を観たときと似た感覚。好きな要素多すぎるのに。

豚の呪いをもって生まれたペネロピちゃん。冒頭5分で驚いた、その豚鼻をある程度ペネロピ自身が受け入れてるとは。そりゃ嫌そうやし辛いやろうけどそう感じさせない振る舞いに超好感。

それなのにオカンがずっと過保護気味で鬱陶しい。「あなたの鼻じゃない」とか「顔を見せたらダメ」とか迷惑。母さん、ペネロピは自立できますよ(誰視点)。
このオカンの過保護要素を笑って楽しめたらラクだったろうに。最初から最後までイライラしてしまった…。

ついで書かせていただくとバカ息子エドワードもなかなかの畜生。結婚式でペネロピが「No」と言った後の「救われたぁ」みたいな顔が許せん。

と冒頭から文句まみれですけど今からベタ褒めします。

ペネロピが初めて家から出たときのTheファンタジー感、ここ圧倒的名シーン。自然溢れる森の中のような敷地から一転、門を開けば一気に大都会。音楽も素敵なんや。
その後、街中でシャボン玉浴びるところも神。

外の世界の何もかもが貴重な経験になるペネロピ、ポルノショップに足を運んだりランニングする人を怖がったりビールをジョッキ(ストロー)で飲んだりとこの辺り"パディントン"みたいな可愛らしさ。

そしてバーでのアニーとの出会いがまた素晴らしい。「何も知らないんだね」とあちこち連れてってくれるアニー超良い友達なれそう。ハロウィンの蜂のコスプレ見て確信したわ。

家の中がオシャレすぎて目立たなかったかもやけど、ペネロピも超オシャレ。マフラーもコートもやけど赤みがかった髪が街中で映える。

というか、ですから、本当に、しつこいけど家の中がオシャレすぎるんです。ポスターもそうなんやけど緑ってやっぱいい🐍🍃🍀🌱🍏📗。欧州ってなんでこんなにセンスええねん。

全体的に笑い多めなところも最高。特にあらゆるものに対してド正直な父親のブラックジョークが冴えてた。

バリンバリンガラスを破って人が飛び降りてるわと思ったら強化ガラスで対策とは笑おまけに名家の執事というのに客を逃がさないためにスニーカー装備。シュールすぎる。

家族総出でペネロピのお見合い?鑑賞もジワジワくる。そんなお菓子とかまで用意せんでも笑

キャストに関してもサプライズ多々。マカヴォイ!!?ってなったし、相変わらず皮肉屋が似合うピーター・ディンクレイジに何人が気づいたバーン・ゴーマン笑

いやぁ、マカヴォイやばかったなぁ。"スプリット"観てない僕が言うのもあれやけど今までのマカヴォイで一番好きだわ。

🎶You are my sunshine…と歌うマカヴォイ、これがまたド下手くそ。でもド下手なのに魅力的、ズルすぎる。なんだよこの王子様。
シーンとしてはさらっと流れるけどペネロピに「結婚して」って言わせたわけですよ。素でさすがマカヴォイと思ってしまった。

帽子くそかっちょええし、なんだあの強引なキス、なんだよこの王子様。

終わり方も500点で本当に惜しい…。子どもたちの反応が純粋で素晴らしい。
「みんなペネロピ(の鼻)なのに私だけ…」
「呪いを作るのは自分たちだ」
「いつも悪いのはオカン」などなどスカッとするセリフまみれ。

おそらくクリスティナ・リッチは初めまして。彼女が出てる"バッファロー'66"が相当いいと聞いてるので近いうちに観たいところ。
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