かつきよ

マダガスカルのかつきよのレビュー・感想・評価

マダガスカル(2005年製作の映画)
3.4
総評としては、あまりはまれませんでした!
話は無難で、そこまで深くも無く、アニメーションも見応えがありません。
キャラクターは皆がかなりハイテンションなので、乗り切れないと結構テンションが置いてけぼりにされます。

良くも悪くも子供向けの映画止まりだな、という印象です。唯一EDだけはトリップしてる感じでかなり良かったです。

あとは、何度か出てくる、四匹で顔を密着させて並ぶカットが、ベタなのですがめちゃくちゃ好きでした。

しかし、続編は面白かったので、1が鑑賞できたなら是非続編はお勧めです。



ーーー以外詳細評価ーーーーー

まずアニメーションですね。
ちょっと古い映画ということもあり、期待はしていませんでしたが、本当に微妙です。
過不足なく動きはしますが、アニメーションの繊細さは感じられず、私の場合は特に、直近で同スタジオ(ドリームワークス)の後続作品であるカンフーパンダを鑑賞していたため、どうしても見劣りしてしまいました。

ピクサー作品などで、最近のCGアニメを見慣れているとどうしても画面の訴求力は低くなると思います。

次に、世界観ですが、説明が不足しており、どういう世界観として鑑賞していいのか最後まで私は不明瞭で乗り切れませんでした。

たとえばトイストーリーでは、人間がいない間だけおもちゃは好き勝手するけど、それは人間にはバレてはいけない、という世界観が最初から分かるように作られてましたし、カンフーパンダやズートピアでは、人間はおらず動物が社会生活を営んでいること、それぞれの獣の特色がきちんと反映されつつキャラ付けされている事がはっきりとわかりました

しかし、今作では、冒頭からメンバーが動物園にいることはわかるのですが、お互いのゾーンを自由に行き来しているのは人間が見ていない間だけなのか?それともそういう世界観なのか、ですとか
パフォーマンスは動物側から見たイメージであって、人間からはただのライオンに見えているのか(それとも特別でユニークなライオンに見えているのか)という点や、動物がアルファベットや文字を理解しているがそれはそういうのが普通の世界観なのか、それとも特別なことなのか、、、
例えば彼らとどれくらい意思疎通できるのか、そこの設定はどうなっているのか…

閉園後の人間→動物への態度や設備を見ると、現実っぽくてもかなりファンタジーな世界観に仕上がってるようにも思えますが、明確にこういう世界観だ!とわかりやすいレベルではないです。
そもそも実際のアメリカや地名がたくさんでてきますし…リアル路線なのかどうか、慣れるまでに時間を要します。リアルとファンタジーの境界線が本当にわかりにくいのです。

そういうことを考えてはいけない、言って仕舞えば頭空っぽにして見るべきなギャグムービーなのでしょうが、そのための描写は下手くそだと思いますし、そのせいで映画作品にしては内容が薄く感じてしまいます。
なんというか、ノリだけで何でもありにされると、エンタメとして捉えるにも限界があり、一気に世界観や展開の説得力が無くなってしまうので…どうとでもなるんじゃん、みたいな。個性とか能力とかも…

キャラクターもいまいち好きになれません。
みんな軽くラリってるのではないかというほど最初からハイテンションです。
キャラ感にもついていけないのに、どんどんキャラクタがハイテンションで喚いていて騒いで画面が常に濃くて愉快なので、ついていけてないと、うるさいな〜と思ってしまう場面もしばしば…(この後3まで鑑賞しましたが、2以降はキャラが好きになれました!今ではみんなそこそこ好きです!)

アレックスは自尊心の塊で自己中タイプなので、リアルの友達にこういう人がいると既視感があって辛いと思います。
マーティは声が柳沢慎吾にしか聞こえないですし、顔も柳沢慎吾にしか見えないです。物語的には発端になるキーマンで、見せ場はあるのですが、なんかどことなく病的で不快感が、、、
グロリアはキャラがちょっと薄いですが、この中では一番いいキャラしてるなと思いました。
メルマンの臆病キャラは、2の活躍を鑑みれば好きになれましたが、1の時点では誇張されすぎていて、特に活躍もしないですし、なんなのこいつ?みたいな感じです。
キングジュリアンもテンション高すぎで…おバカな感じは、2.3を見て好きにはなりましたが、1の時点では敵なのか味方なのかもわからないし、とんでもない危険を持ち込みそうというか、キャラ感が掴めずハラハラしながら見ていたので、好きになれず…EDで好きになりましたが
ペンギンズも、頭がいいんだか偶然なのか?よくわからなくて、人間に対する害悪みたいな感じがして怖かったですし(2で好きになりました!)

全体的に、キャラクタのインパクトばかりが強すぎて、物語は薄いしキャラの掘り下げも全然ないので、テンションだけのうっすい…けど、変なところは濃厚な、胃もたれ映画って感じです。
後半で友情をテーマにした展開もありますが、展開に至るまでも薄くて、それまでの展開を払拭できるようなインパクトはないので、ただのご都合展開andテンプレ展開な感じで、全然心の芯まで響いてはくれませんでした。

もう何を見せられてるんだって感じです。

ただ、オチはよかったですし、最初にも言った通り、EDがすごくいいです。
オドルッノ・スキ・スキ
めっちゃクセになります
The 電波ソングって感じです。
なんかこの電波感聞き覚えあるなって思ったんですけど、オレンジレンジのオシャレ番長みたいな電波感です
耳に残る感じが!

最後のEDのアニメーションも、高熱にうなされながら見る幻覚みたいな感じで、そこはかとなくカオスでよかったです。
軽くトリップしてる感じなので、是非是非!

余談ですが、マダガスカル2と3はわりと面白かったので、せっかく初代を見切れた人は是非続編の視聴をお勧めします!
かつきよ

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