みおこし

カバーガールのみおこしのレビュー・感想・評価

カバーガール(1944年製作の映画)
3.7
ジーン・ケリー作品、相変わらず片っ端から観ております。今回は珍しくジーンが主役ではない初期の作品。主演は40年代を代表するセクシー女優リタ・ヘイワース!

クラブで歌い踊り生計を立てているコーラスガールのラスティ。スターを夢見るラスティは、ひょんな事からカバーガールのコンテストに応募し、見事優勝する。瞬く間に人気を集め、次第にスターへの階段を駆け上がってゆく彼女の姿に舞台監督で恋人のダニーは喜びとともに寂しさを覚え始め...。

『ラ・ラ・ランド』を彷彿とさせるような展開。明るくて楽しいミュージカルシーンとは裏腹に、物語のドラマは今の私たちにも通じる、恋人同士の切ない葛藤がきちんと描かれている秀作でした。ジーンも目立ちすぎず抑えた演技で、いつもと異なる印象がまた良かったです。同じ舞台人として苦労してきた彼女の成功への複雑な思いが伝わってきて素晴らしかった!
ラストシーンは色んな映画で再現されたお決まりの展開ですが、それでもやっぱり心がときめいちゃいますね。

リタ・ヘイワースは「歌とダンス初挑戦!」と勝手に思っていたら、冒頭から美声とキレッキレの踊りを見せてくれたのでビックリ!調べたところ、小さい頃からずっと舞台に立っていたそうで、ミュージカルもお手の物だそう。綺麗だしミュージカルも完璧だし、本作を観て大好きになりました...!美脚なのでラインダンスとかに映えて素敵。

冒頭から明るいので、いわゆるMGM黄金期のはっちゃけたミュージカルが好きな人にはたまらない展開と演出でした。本作は1944年制作、『雨に唄えば』よりも8年も前に作られた映画。この数年前はまだ白黒映像のミュージカルが当たり前だったのに、もうすでに原色を鮮やかに見せたポップな世界観を体現していてすごい...!1930年代から1950年代のミュージカル黄金期のちょうど過渡期の作品なので、いろんな点が興味深くてすごく楽しめました!
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