あおい

オデッサ・ファイルのあおいのレビュー・感想・評価

オデッサ・ファイル(1974年製作の映画)
3.0
闇に伏された虐殺の歴史を辿れ…

ジョン・ヴォイト主演のナチスの歴史を炙り出す歴史サスペンス。

◎ストーリー
ピーター・ミラーはとあるユダヤの老人が遺した日記に記された、収容所長官について気になっていた。
その長官は、あろうことか味方の軍人を殺した上で、ユダヤ人の殺戮を行なっていたという。また、今でも裕福な生活を送っていると知ったミラーは、単身でナチの残党を探しにいくのだが…

静かに、でも確実に核心へ向かっていくサスペンス。忠実な歴史に基づいているということもあり、リアリティがすごいある。

普通に考えて、ナチスの秘密が記されたファイルなんか手に入れようものなら消されるやろうし、絶対手に入らんような物。それを実際に探したわけやから、相当な忍耐と勇気がいったことは確か。

映画では淡々と描かれてますが、中々凄いことをした人がいたんやなと感じます。

これは映画なのでフィクションかもしれませんが、どうしてミラーは危険を犯して殺戮者を見つけ出そうとしているのか?事の真実が明かされるラストには驚きました。

それまでも緊張する展開が多かったので、特にラストシーンでスッとその緊張が晴れる感じがしましたね。

ユダヤ人の大量虐殺を、その当時の視点で描くのではなく、皆がその存在を忘れようとしている頃から描くことで、戦争を知らない世代でも入り込みやすくなっていると思います。
あおい

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