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男はつらいよ 寅次郎夢枕のイチロヲのレビュー・感想・評価

男はつらいよ 寅次郎夢枕(1972年製作の映画)
4.0
縁談を強要された寅次郎(渥美清)が、幼馴染の女性(八千草薫)と助教授(米倉斉加年)の合間に入り、三角関係の恋愛劇を繰り広げる。国民的人情喜劇シリーズの第10弾。

団子屋の二階に下宿することになるインテリの助教授が、寅次郎とは正反対のキャラクター像で笑わせてくれる。参考書をギャグ漫画のように笑いながら読み漁り、寅次郎の傍若無人な態度にも物怖じしない。

今回のマドンナは、寅次郎の幼馴染の役どころとなる、八千草薫。寅次郎のアッパーな童貞力と助教授のダウナーな童貞力が化学反応を起こしており、珍妙なラブ・コメディが全編に渡ってドライブしている。

決してモテないわけではないのに、あと一歩のところで殻を破ることができず、悉くチャンスを逃してしまう男の生き様。「恋愛したことある?」という質問に即答できず、まごついてしまうところにシンパシーを覚える。
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