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猫が行方不明の和のレビュー・感想・評価

猫が行方不明(1996年製作の映画)
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いつだかにジャケ買いした作品。
"スパニッシュアパートメント"の監督が作った作品だったんですね。

フランスの街自体を主人公のように描く手法はどこか"ロンググッドバイ"や"ビッグリボウスキ"を彷彿とします。監督はアメリカで映画を学んでいたとのことですので、何か関係があるのかもしれませんね。

ジャケにデカデカと書かれたヌーヴェルバーグの文字…作中に一瞬だけですが、それを感じられる瞬間がありました。男は犬の鳴き声を発し、その中を主人公が歩くというシーン。タイトルそのままに主人公が猫を探し回るという内容なのですが、どこか街の人々をペットに見立てて描かれているように感じられます。
犬系男子とか猫系女子とか、そんな感覚なんですかね。

人が持つ、一種の非合理的な部分を動物本能として描くのは面白いなと思います。

ただまあ、登場人物たちがそこまで魅力的に感じられないというのが個人的に思ってしまった所です。色々な人がいるというのは当たり前で、90's的などんな人をも愛をもって見つめる視点があれば良かったなと思います(特に黒人差別の部分)。
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