くまねこ

禁じられた遊びのくまねこのレビュー・感想・評価

禁じられた遊び(1952年製作の映画)
3.6
「禁じられた遊び」(1952年、仏)をAmazonで初めて視聴。「太陽がいっぱい」で有名な巨匠ルネ・クレマン監督による不朽の名作。

子供の視点から、戦争の理不尽さ、すぐそばにある死を見つめた反戦映画だった。

死んだもののために墓を作って、祈りを捧げるという行為・遊びに夢中になり、教会などから十字架を持ち出してしまう11歳のミシェルと5歳のポーレットを一方的に断罪できないはず。

隣人同士でいがみ合う男たち、すぐに子供を殴る父親、戦争脱走犯の男…大人に翻弄される子どもの姿が対照的。

大人たちに騙され、引き裂かれるポーレットとミシェル…。

国々の権力者たちが始めた戦争のツケを、罪なき子供たちが払わなければならないのは一体何故なのだろうか?

ラストシーンにて、両親と飼い犬を亡くした孤児のポーレットが人混みの中へと消えていくその後ろ姿は本当に切なすぎる。彼女の幸せな未来を祈るばかり…。

スペインのギタリスト、ナルシソ・イエペスによる哀切に満ちたテーマ曲「愛のロマンス」が胸に沁みる。
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