戦争で全てを失った少女の心に寄り添おうとした健気な男の子と、子どもの最善の利益を考えない大人たち。その残酷な対称性が印象に残る映画。名作たる所以は理解できます。
ただ自分がこの映画を見て思い出したのは、京極夏彦の某小説に登場した「死」という概念を知らない男というやつ。「死」を理解できない少女のために、少年は十字架を盗んでは動物の墓を立てる。本作は、ちょっと構成を変えれば、「不可解な動機による犯罪」を描いた立派なミステリーになったのでは、と思います。まぁこれは間違った映画の見方だとは思いますが(笑)