@シネ・ヌーヴォ
今更ながら初見。反戦映画というより人間の残酷さについての映画だと思った。子供が主役だからって純真なだけじゃない、ちゃんと狡くてちゃんと大人だった。お墓がどんどん完成されていく様は死の美しさに引き寄せられる怖さを表していたのかなと。
生死を分かつものを肌のぬくもりで表すのはよいなぁと思った。前も何かで書いたけど、冷たい肌の感触って自分が思うよりずっと心に残って死を実感する。
少女が自分の苗字を涙を浮かべて答えるシーンは胸が詰まる。彼女にとってあの一家と自分を繋ぐ唯一のものだと思ったんだろう。でも苗字なんてただの記号だと知る大人たちは彼女の必死の訴えを聞かない。雑踏にまぎれた彼女のこれからが苗字だけじゃない人と人との繋がりに溢れていますように。