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アンナとロッテのカントのレビュー・感想・評価

アンナとロッテ(2002年製作の映画)
4.2
銃後劇。引き裂かれた双子アンナとロッテ。運命の邂逅。植え付けられた思想が憎悪を生むオランダ映画の秀作。

私は猫が好きで、猫の地域ボランティアの方から2匹😸貰い受けました。
可愛い(優生)猫と、可愛くない(劣等)猫です。そこでは大概、可愛い(優勢)猫から先に貰われて行きます。
しかし地域ボランティアに発見されず行政に駆除された猫は現在もガス室で殺されます。アウシュビッツの様に。

▼1925年ドイツ、ケルン。
双子の女の子アンナとロッテ。両親の死去で親戚に引き取られる。
頑健な姉アンナはバイエルン人の愚図な農家へ。学校にも行かせてもらえず義父から折檻。
病弱な妹ロッテはオランダの裕福な豪邸のサナトリウムで治療と英才教育を受ける。
お互いに姉妹を思い手紙を書くけれど、それは届かなかった。

1936年。アンナはメイドとして働く。そこへゲシュタポが。アンナの義父は、アンナを知的障害と偽証して学校へ行かせなかったが…ナチスの施策による「劣等の断種」の対象になっていた。※ナチスは劣等民族としてユダヤ人を排除したが同時に知的障害者も「劣等」の烙印を押して排除した。

1939年、姉妹の邂逅。
アンナはヒトラーに傾倒する青年と、ロッテはユダヤ人の恋人と、それぞれ愛を育んでいた。
時代が双子の運命を翻弄する。そして現代になって双子の姉妹が交わした言葉とは💡

…日本にも優生保護法がありました(不良子孫の出生抑制:現在は母体保護法と改名)けっこうエグい法律です。
私は優生の猫も可愛いと思うけれど、劣等の猫だって可愛いと思う。
本作では、ユダヤ人ポーランド人、知障者を劣等としてクローズアップしていました。それをオランダが描いた映画として見ると感慨深かったです。

…ロッテの気持ちも分からなくないけれど、アンナを責めるのは酷。
子役時代、アンナがブスで、ロッテが可愛い。それが大人になると逆転して、老女では、また逆転する😵
双子姉妹の女優、用意出来なかったんだね。
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