(22年3月5日 U-NEXT 2.5点)
あらすじから見て分かるように、「アドレナリン」はかなりの”バカ映画”だ。チェリオスはアドレナリンを分泌し続けるために、走り回り、コカインを吸って、人を殺し、挙げ句の果てに路上で×××。めまぐるしい展開について行くのが大変だが、飽きることはまず無いと思う。
なにしろジェイソン・ステイサムがかっこいい。スピーディーなカメラワークや斬新で面白い演出、そして彼自身の(いろんな意味で)体当たりの演技と相まって最高だ。
だがなぜだか知らないが、これだけ使える要素があるのに最後まで盛り上がらない。全体的に駆け足で進んでいくので途中で観客がついて行けなくなる。笑えるシーンも若干滑り気味。そして何より肝心のアクションシーンが意外とタイトな演出なのだ。「ダイ・ハード」みたいにド派手な爆発があるわけでもなく、「キック・アス」みたいに大量の手足が飛ぶグロテスクなアクションがあるわけでもない。
最後までチェリオスの頭の中はアドレナリンでいっぱいだったが、観客の頭の中でアドレナリンは大して分泌されないだろう。
(12年6月16日 BS 3点)