その曲を聴いた者は自殺する…
実際曲を聴き数百人が自殺したと言われている曰く付きの曲「暗い日曜日」を元に作られた作品。
自殺が本当に曲のせいなのか、それともただの都市伝説なのかは別として、たった一曲をモチーフによくここまで練ったなと思うほど映画として見応えがあった。
舞台は第二次世界大戦前のブダペスト。
レストランのオーナーのラズロ
ウェイトレスのイロナ
ピアニストのアンドラーシュ
は合意の上での三角関係。
まずここが始め理解に苦しむんだけど、
ラズロは楽観的で懐の深い小デブちゃん、アンドラーシュはアーティスト的繊細さがあり母性を擽られる美青年。（演じるのは「カストラート」のファリネッリ！）
ふたりとも魅力的なうえ、イロナが稀に見る超美乳フェロモン美女でして。
嫉妬心にとらわれず適度に節度を守ればこれもあり…？というかだんだんイロナが羨ましくなってくる。
しかしそんな安定した三角関係も、残酷な時代の流れには逆らえず…
ここから一気にとてつもなく暗く鬱な展開へ。
でも最後にくるカタルシスで冒頭のシーンを見返したくなるはず。
ちなみに肝心の曲は劇中何度も流れます。
短調の哀しい旋律だけど、とても美しい曲。
そしてなぜその曲を聴くと死にたくなるのか。その理由に曲からのメッセージと時代背景をうまく絡ませたのがまたお見事。
私は都市伝説として曲の存在は知っていたので、聴いたら呪われるなんて貞子的展開になったらどうしよう…と実は少しビクビクしてたんだけど、そんなのではなくてよかった笑
GWが終わりリアル暗い日曜日を過ごしてる方にはお勧めしません…もっと気分が暗くなっちゃう、きっと。
