Keitan

デリカテッセンのKeitanのレビュー・感想・評価

デリカテッセン(1991年製作の映画)
3.7
『奇妙な住人達が住む精肉店のお話』

20191218 154
昨日のロストチルドレンに続いて。ジャン=ピエール・ジュネ監督作。

感想の前に映画の記憶について。これは自分だけかも知れないが、印象的なシーンの映像だけが頭に残っていて、肝心のお話の方はこんな登場人物と設定でこんな感じの話だったなぁというくらいザックリとした印象しか無く、肝心のラストなど全く記憶喪失といった場合が多い。

本作も公開時に見て以来で、まるで初めて見るみたいに呆れるほど覚えていなかった。覚ええていたのは、ベットのスプリングが軋むシーンと、自殺を試み続ける夫人が失敗した後に充満したガスで爆発するシーンくらい…。まぁ映像的にも演出的にもインパクトがあるので、そんな事なんだろう。

で本作の感想としては、素直に面白かった。当たり前だがロストチルドレンと同じ感触。SFというよりはブラックコメディ。
映画のどこにも説明は無いと思うが、核戦争の15年後らしい。精肉店が一階にあるアパルトメントでのワンシチュエーションムービー。そこの住人はそれぞれ奇妙でやはり監督の趣向が感じられる。舞台がシンプルな分、展開も分かり易かった。

ところで、ラストの浴室のシーンは、「シェイプ オブ ウォーター」のラブシーンの元ネタではなかろうか。そんなダークファンタジーの系譜も確認できて満足。
Keitan

Keitan