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エコールのmimicotのレビュー・感想・評価

エコール(2004年製作の映画)
3.8
何故、夫ギャスパー・ノエにこの作品を捧げたのだろう..

森の中の高い壁に囲まれた
女の子だけの寄宿学校
下界から遮断された
6歳から12歳くらいの少女が
森や湖で妖精のように戯れる

少女たちの近すぎる距離感がノスタルジックです。

純白の制服とツインテール
学年別のカラーリボン୨୧
アニエス・ベーのデザインが
とってもお洒落

だけど
ずっと不穏な空気に包まれていて、心が落ち着かない。

棺に入れられて運び込まれる新入生が、蛹の暗喩という不気味さ。
少女から大人へと成長する様子を、蛹から蝶に羽化するのと重ねているようだった。

耽美だけれど..

誰が何のために少女を集めてるのか、ずっと謎なのです。
その理由を妄想してしまう終盤。
幻想的な雰囲気を漂わせているけれど、その実偏執的な物語なのかもしれない。
考えすぎかな..
原題の通りInnocence(無垢)を描いた作品なのでしょうか。

羽化した少女たちが、下界でふんわりとした羽の鱗粉を撒き散らすとき、幸せなだといいな。

美しい少女作品は、謎が残るほうが幻想的。
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