千年女優

2001年宇宙の旅の千年女優のレビュー・感想・評価

2001年宇宙の旅(1968年製作の映画)
4.5
猿人が謎の物体「モノリス」の影響から道具を扱い始める人類の夜明けから400万年、月に居住する米国宇宙評議会の発掘によって再び人類が出逢った「モノリス」からの信号を追って木星へと向かう宇宙船ディスカバリー号。船内で人工知能HAL9000が起こす混乱と船長デヴィッド・ボーマンが体験する摩訶不思議な現象を描いたSF映画です。

あらゆる歴代映画のランキングにおいてノミネートされないことがない、言わずと知れたスタンリー・キューブリック監督による1968年公開作品で、その「意味深な映像で確信に迫る」物語が世界各国のクリエイターたちの心を鷲掴みにし、公開直後から現代にいたるまで様々な後継作品へ多大なる栄養を与えた映画史に燦然と輝く金字塔です。

不親切とも思えるほどの断片的な描写はミステリアスそのもので「宇宙とはいかような場所」か「地球外生命体は存在するのか」といった宇宙に対する疑問のみならず、「文明とは」「知性とは」「神とは」「次元とは」「真理とは」といった人類文明の命題への不釣り合いな考察を促す、めくるめく想像と思考の世界へ誘われていく一作です。
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