しゅんかみ

2001年宇宙の旅のしゅんかみのレビュー・感想・評価

2001年宇宙の旅(1968年製作の映画)
5.0
 ライブ・シネマコンサートという、映画の上映に合わせて生のオーケストラが音楽をつける、という贅沢な公演にて鑑賞。この鑑賞スタイルもあってか、そもそも大画面でこの映画を観るのが初めてなのもあってか、何回か観ているこの映画が今までで1番楽しめました。

 もはやあまりに有名すぎる「ツァラトゥストラはかく語りき」で始まるオープニング。
 音楽の盛り上がりに合わせて地球の向こうに見える太陽、そしてクレジット、と登場するタイミングの素晴らしさ。実際の演奏がすぐそこで行われているというIMAX以上の究極の臨場感との相乗効果で、それこそモノリスに触れる感覚が分かったような、最高の瞬間だった。

 そしてその時点で、「ああ、これは大きい画面と最高な音響のある環境で観る映画なんだ」と今更ながらに、当たり前のことに気づかされた。
 あの宇宙の暗闇に浮かぶ人工衛星やシャトルの大パノラマ。そして宇宙の静けさと、船外活動の息使いと、それに対をなすようなクラシック音楽。
 よくストーリーがよくわからないと言われてるし、まあ確かに実際わかりにくい映画かもしれない。でも、この圧倒的な映像と音の説得力の前には、そこが分かるとか分からないとかは重要ではないんだということが身をもって体感できた。

 しかもこの映画、もうすぐ50年前の映画になろうとしてるということにビビった。
 もちろんところどころ今のテクノロジーとの齟齬を感じなくはないけど、このデザインの色褪せなさはなんなんだ。観るたびにあの宇宙ステーションの赤い椅子欲しい!って思ってるよね。

 それにしてもこのライブ・シネマコンサート公演、もしまた日本で上演があるなら迷わずチケット取ることをオススメします!