堊

2001年宇宙の旅の堊のレビュー・感想・評価

2001年宇宙の旅(1968年製作の映画)
2.6
70mmで。
・「飛行機恐怖症だったためにアフリカでの撮影は本人が同行せず…」なんてエピソードを踏まえていようがなかろうが冒頭一連の猿のカットは「想像上のアフリカ的」風景から一度も出ることはない。一瞬の豹との絡みのカットなんてそこでいいの??って位置にカメラが置かれている。一瞬殺した動物が挟み込まれるのはエイゼンシュテイン。
・ラストのいわゆるトリップ的なシークエンスでも、もっと素直に没入させてくれたらいいのにわざわざ「わっ」「あっ」みたいな驚いてる顔が静止画で挿入されてて笑う。切り返さずにはいられない。これが68年。
・ガチガチの固定特殊撮影ショットなんかより、手持ちカメラのショットが輝いている。たとえば月に到着する直前の機内のショット、HAL暴走後の廊下をけっこう揺れながら動き回るショット(ポスターにもなってるほう)
・寝ていい映画ではないけれどまぁそんな若い世代が無理して見るほどのもんでもないよ、、なんて思ってしまう。僕は『サイド・バイ・サイド』での「老害は死んだほうがいい、フィルムを焼き捨てろ」って言ってるソダーバーグが好きなので。
・さんざん指摘されていたけれど、ラストの部屋がだいぶvaperwave。
・なぜかあんまり覚えられてない「デイジーデイジー」の歌のところは完全にホラー映画で笑った。フラワームーブメントニューエイジ映画が未だに芸術ですってふんぞり返ってるところにいや〜な感じを持ってしまうけど、こういうところは好きだよ。





・「アンレストアバージョンです、みなさまがたクリストファー・ノーラン様を讃えよ」なんて放送があった。
・シネラマ的効果を狙った作品を明らかに狭いスクリーンで傷を残した状態でありがたがってみるのはどうなのよ、って思ったが客層見る限りオジン様方の懐古的な試みが強いのね。序曲の再現だったり。「この作品は映像体験のための作品なので、もし字幕が見れなくても…」なんてアナウンスするぐらいなら字幕用スクリーンいらなくないか。あと「映像体験」ってなんですか国立映画アーカイブさん。
・庵野秀明と樋口真嗣と平野勝之と山田洋次がいたらしい。ぼくの上映は自信ないが矢口史○がいた気がする。
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