ちろる

その土曜日、7時58分のちろるのレビュー・感想・評価

その土曜日、7時58分(2007年製作の映画)
3.8
破滅一直線、誰も救われず後味悪い。謎を解きながら時間軸がなんども行き来する展開のおかげで、地味ながらもラストまで緊張感をもたせていくなかなかの骨太演出になっています。

普通のちょっとお金に困っていたレベルの人間が、ありえない犯罪者に堕ちていく悲劇、兄弟の企てた強盗の手口が杜撰なのは置いといたとしても、みんながみんなちょっとしたコミュニケーション不足でそれぞれの悲劇に堕ちていくのが辛い。

イーサン ホーク演じる弟ハンクのへなちょこぶりとフィリップ シーモア ホフマン演じる貫禄と胡散臭さもある兄アンディの対比といい、アンディ嫁のマリサ トメイのだらしないエロさといい、絶妙な表情の中で演じる役者陣がとてもいい。
父親役のアルバート フィーニーもラストのラストまで何を考えているのかわからない表情をするので、こちら側も全くもって先が読めなくて怖かった!
まぁ気持ちいい話ではないけれど、実に秀逸なサスペンスでした。
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