ポール・モリセイの最高傑作。流れでまた見てしまったが、死体が散らばり吊るされた男にその男をこれから切り刻もうとする子ども、ラストの美しさは本物。穿った見方をしてしまうと、ウド・キア扮するフランケン博士がウォーホルで人造人間がモリセイ。『処女の生血』『悪魔のはらわた』で二人の仲は終わるわけですが、それを予期していたというか、今までいいように使われてきた(と勝手に思っている)野心溢れる表現者が名を売ってくれた(名前だけ貸して何もしていない)表現者へ反旗を翻す、つまり「親殺し」の映画。その後ウォーホルはセレブ相手のNIGOみたいないけ好かない感じになり、モリセイはモリセイでぱっとしないまま映像表現を続けていく。