このレビューはネタバレを含みます
地学好きにとっては
地球の内部が映像化されている点が面白い。
アトラクション映画としてはよくできている。
連結式の乗り物だという序盤の説明シーンを見たら
「切り離されて1人ずつ死んでいくのでは」
と誰もが思うだろうが、それが忠実に守られていく展開はある意味あっぱれ。
ただ、月よりも数段到達が困難な未踏の地にたどりついた男の冒険物語
としてはほぼドラマが描かれていないので物足りない。
主人公の人生、トラウマ、恋人、家族(妻や子供がいたほうが描ける)を絡めたら命がけの冒険にも深みが出たのではと思う。
結局、僕は地球がどうなるかよりも
「地球の中がどうなっているかの映像表現」
と
「地球の中にたどり着いた稀有な男がその貴重さを実感するドラマ」
が見たかったのだろう。
ちょっとしたいざこざはあるものの、
結局皆が任務遂行に懸命な立派な人物なので
その最期の姿には頭が下がる。
乗組員の中に完全に私利私欲しか考えない人がいたら
また違ったドラマが生まれたのだろうが
そもそも失敗したら地球自体がなくなるというスケールの話だから
私利私欲を描くのもなかなか難しいという制限があったのだろう。
ハッカー少年の有能さで幕を下ろすのが小気味いい。
彼は技術的鍛錬を欠かさない限り一生食いっぱぐれないのだろうなぁ。
※2020.10午後ロー。
※カットがたくさんあるようなので、ノーカットをいずれ見たい。