えいがドゥロヴァウ

ブレインストームのえいがドゥロヴァウのレビュー・感想・評価

ブレインストーム(1983年製作の映画)
4.2
アメリカのSF映画のDVDを色々と買ってみたうちの1本で、たまたま『サイレント・ランニング』と同じダグラス・トランブルの監督作ということで数珠つなぎで鑑賞
『サイレント・ランニング』のレビューでは触れなかったけど、ダグラス・トランブルはアメリカの特撮の大家で、『2001年宇宙の旅』『未知との遭遇』『ブレードランナー』に携わっていたのだそう
『2001年〜』では超重要なシーンであるスターゲートのシークエンスを手がけていて、14年を経て制作された本作では臨死体験という形で更に進化した(!)映像が楽しめる
それだけでも十分観る価値があるのではないでしょうか

人間の体験や記憶を記録して、他人がまったく同じ体験を味わえるという画期的な装置が発明された
それは視聴覚情報だけでなく、嗅覚や味覚や触覚、はたまた心肺機能の状態までもが同期できる完璧な疑似体験デバイス
体験は太いテープにレーザーを照射することによって記録され、そのテープを再生すると知覚情報がヘッドギアを介して伝送されるという仕組み
(テープなので編集はリニア式!最大の時代感じポイント)

発明が軍事利用(洗脳を目的とした「ブレインストーム計画」)されそうになるだのすったもんだで、パソコンのハッキングを駆使したまさかの活劇的展開が繰り広げられるのですが
この知覚伝送装置が使われた重要な場面は3カ所

1.主人公マイケルが絶縁しかけの妻に、2人の昔の良き思い出の数々を装置に記録、再生して見せて復縁を果たすシーン
2.マイケルの同僚がセックスの模様を記録したテープをエンドレス再生して引きつけを起こすシーン
3.マイケルの研究パートナーで主任のリリアンが心臓発作を起こした際に自らの死を覚悟し、死の体験をテープに記録するシーン

新しい技術がどのような社会的または精神的作用をもたらし、どのように有効活用したり悪用できうるか、を幅広く要点的に捉えていて、非常によく出来たSF映画だと感じました
前述のシークエンスはまさにリリアンのテープの内容なわけですが、これは映画の最大の見せ場となっております

本作が初主演のクリストファー・ウォーケンはまだ悪人面が完成されておらず知的で愛嬌のある役どころがハマっていて、妻役のナタリー・ウッド(本作が遺作となった)もベッピンさんで眼福でございました
購入したDVDのパッケージでは実験用に使われていたゴツゴツしたダッサいヘルメットをつけているクリストファー・ウォーケンがフィーチャーされているので
まさかそんなもので「イケイケの画期的な発明だぜぇ!」なんて言っちゃいないかと観る前は心配だったのだけれど
ヘルメットは小型化されシンプルなカチューシャ型のヘッドギアに改良されていったので鑑賞中に胸を撫で下ろした
総じて古臭さはあまり感じられない映画ですので
敬遠なさらずどうぞご覧くださいませ
買って良かった良かった