ろ

用心棒のろのレビュー・感想・評価

用心棒(1961年製作の映画)
5.0

「地獄の入り口で待ってるぜ」

痺れる…。
黒澤映画はどれも迫力があり、一度劇場で観てみたいと思う作品ばかり。
今回は特に、音楽に驚きました。
シンバルをすり合わせる音に合わせて、三十郎と卯之助率いるヤクザな一族が町の両端からじりじりと近づくシーン。本当にかっこよくて鳥肌が立ちました。


賭博場の二大勢力に支配され、荒れ果てた宿場町。桶屋だけが儲かるこの町をなんとかしようと三十郎が立ち上がる。

争いを続ける清兵衛一家と丑寅一家。
三十郎は両者を喧嘩させ、潰そうとするがなかなか上手くいかない。
ただ威嚇しあうだけで一向に戦おうとしない意気地なしのヤクザたちを、三十郎は面白そうに高見の見物。

そんなある日、丑寅一家の三男・卯之助が町に帰ってくる。


「この宿場のやつはみんなきちがいだ。でもおめぇはもっときちがいだ」
たった一人で二大勢力に挑もうとする三十郎を心配しつつ呆れる居酒屋の主人。
しかし命を懸けて人助けをした三十郎の姿に心を打たれる。そして三十郎を匿い、彼自身も命を張るのだ。このあたりの友情のような関係にグッときてしまった。

最後の決闘のシーン。
仲代さん演じる卯之助が倒れ、「俺にはこいつがないとどうも丸裸にされたみてぇだ」と拳銃に手を伸ばす。最後までギラギラと、執念深く。
三十郎と卯之助の動きをハラハラしながら後ろで見守っている桶屋と居酒屋の主人がまたいいんです。

ごうごう燃える家と仲代さんの顔のアップが1つの画面に収まっているカット、すごく好きでした。




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ろ