Melko

ボーイズ・オン・ザ・サイドのMelkoのレビュー・感想・評価

3.9
自分から傷つきに行くことはない。
馬鹿な男を切れないのは全女性の恥。
本当の伴侶は、望む相手じゃないかもしれない。

静かな、でも胸を打つ、明日からも頑張ろうという元気が出てくる、力強い女の友情物語。

ずっと見たかったけどやっと見れたー。
ジャケットには3人映ってるけど、主人公は真ん中のロビン。
理知的でしっかり者、でも神経過敏気味でどこか儚い雰囲気で線が細いロビン。
彼女の旅路のサポート役に、
シニカルだけど、姉御肌で面倒見の良いジェーンと、
男がいないと生きていけない性分の、チャーミングなホリー。

題字の通り、この作品では「男は添え物」。
女3人の行動や言動、感情の意味は、男ではなかなかわかりにくいところがあると思う。エイズ陽性のロビン、良い感じの男と最後までやれないところや、彼女が病気のことをジェーンにバラされて憤る気持ち、痛い目見たのに男に頼らざるを得ないホリー、ひどいことを言われても、誤解されても、友達のピンチには駆けつけるジェーン。
男性には、この3人の関係性はどう映るのだろう。それぞれ、潔く喧嘩もするし、下ネタも言うし、生きるか死ぬかの瀬戸際な他人のために泣く。でも意外と、お互い独立していて、ベタベタ付き合うわけではない。

たしかに110分、これでもかとたくさんの災難や苦悩を詰め込んでいるけれど、どれもこれもなかなか軽めにマイルドに描かれている。そして、そのどれもが、今日の女性たちが直面する問題で、自分たちで解決しなければならないことだ。「添え物」な男たちはずっと彼女たち3人に振り回される。女だけで何とかしなければ…!な感じかと思いきや、そうではない。何かと気難しい彼女たちも、必要としていることに気づき、真に結束することで、大きな家族になれる。

ロビンはきっと、初めて会ったときにジェーンにピンときていたんだな。だから自分の旅路に彼女を選んだんだと思う。
ウーピー演じる、カーペンターズを嫌うジェーンのSuperstarが泣ける。
わたしも、落ち込んだときにウーピーに抱きしめて欲しい。。

重たいテーマを扱いながら、終始軽やかで、何より挿入歌が全て良い。ほとんど女性歌手が歌ってるのも珍しい。サントラ買おうかな…

これは、愛や恋に未熟な10代や、
がむしゃらになってばかりの20代ではわからない、大人の女性向き。
今見ることに意義があった。
ハート型のサングラスが似合う女性でいたい。
車のサンルーフ開けて、足出してペディキュア乾かしたい。
Melko

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