NAO141

ゾディアックのNAO141のレビュー・感想・評価

ゾディアック(2006年製作の映画)
3.6
正直なところ若干消化不良感あり。
しかし、そもそも〈ゾディアック事件〉がいまもって未解決事件なのだから仕方がない部分はある。

事実が淡々と描かれていく作品である。
本作は「ゾディアックとは誰なのか」という犯人探しをする作品ではなく、人間ドラマの部分が主になっている。事件に執着するあまり、関わった主な登場人物は皆、自身の立場・体調・家庭などを崩壊させてしまっている。ゾディアック(偽名)という人物に人生を狂わされてしまった人々を描いている作品とも言える。

単なる映画としてだけではなく、現実に起こったこと(しかも未解決事件)だということがゾワッとした恐怖も感じさせる。ゾディアック事件がなぜ世間の注目を集めたかといえば、ゾディアックが自身の犯行声明をマスコミや警察に何度も送っていたからである。
世間やマスコミ・警察を嘲笑うかのように犯行を続けるゾディアックに当時の人々はさぞ恐怖したことだろう…。

監督はデヴィッド・フィンチャー。
サスペンスを得意とする監督であるが、彼はゾディアック事件発生当時、事件の場所から程近いところに住んでいたらしい。そして未解決のゾディアック事件に嵌まったという。監督が本作を手掛けたのは必然か。彼のこういった未解決事件に嵌まってしまった過去がサスペンスを得意とする監督という土台を構築していったのかもしれない笑
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