ゾディアックによる初めての犯行は、監督デビッド・フィンチャーが7歳の時でした。
フィンチャーの生まれ育ったミルバレーから、犯行現場のヴァレーホまではサン・パブロ湾を挟んで30㎞も離れていませんでした。
"スクールバスの前輪を打って、出てくる子供を殺すのさ"と予告してサンフランシスコを恐怖に陥れたゾディアック。
ジャーナリストだった父から事件のあらましを聞かされた彼は、やがて映画監督になることを決心します。
事件は新聞社に送られた一通の手紙から始まりました。文面にはアルファベッド、手旗信号、モールスや気象記号が散りばめられた暗号文でした。
自分をゾディアックと名乗った送り主は"この暗号文を掲載しなければ、金曜は殺戮の夜になるさ"と締めくくりました。
暗号に魅了された作家のエドガー・アランポーは、短編"黄金虫"の中でこう述べています。"人間の知恵を適切に用いても解読しえない暗号を人は創り出すことは出来ない"。
映画"ゾディアック"は彼を追い続けた、一人の風刺漫画家の実話です。
ゾディアックから最初の暗号文が送られて来た時、ロバード・グレイスミスは編集会議の末席にいました。
数学の素養があり大のパズル好きだった彼は、ゴミ箱に丸められた暗号文のコピーから独自に解析を始めます。
やがて時はたち、事件が人々の記憶から消え始めた時に"誰もやらないから、僕がやるよ"と言って、ゾディアック探しを人生の使命としました。
静かに、淡々と物語は過ぎて、登場人物は歳をとり関心や情熱も変わっていきます。
だからこそ、グレイスミスは変わりませんでした。
ベッドで見れば途中で眠れること間違いなし!!寡黙な漫画家の執念が光る"ゾディアック"は是非オススメです!!