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座頭市逆手斬りのcatmanのレビュー・感想・評価

座頭市逆手斬り(1965年製作の映画)
3.5
シリーズ第11作。傑作『不知火検校』の森一生監督ながら…前作に続いて低調気味。藤山寛美の起用は、マンネリ化が進む本シリーズに新味を与える意図からだと思うが、出番が多い割に本筋に関わらないのでさほど意味を成さない。偽座頭市のアイディアは面白いのに、中途半端に放棄してしまっていて勿体無い。敵役も相変わらず魅力に乏しい小物ばかり。市が一息ついていた茶屋でたまたま耳にしたニセモノの悪評に腹を立て、その噂話をしていた客にケチな意地悪をするシーンに象徴される様に俗っぽさが目立つ。本来の座頭市作品にあったプライドや孤高の存在感はすっかり失われているのが残念。それでも十分面白いんですけどね。
アクション性に秀でた殺陣はやっぱり一番の見所で、市の鮮やかな二刀流も見事。この辺りの勝新はもう流石としか言いようが無い
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