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ゲゲゲの女房のmeowningのレビュー・感想・評価

ゲゲゲの女房(2010年製作の映画)
3.5
原作はうんと前に読んだ気がする。結婚式の日、水木しげるの義手が身体に触れたときに「カチッ」という音が聞こえた・・・なんてくだりが印象的だった。水木しげるの妻、布枝さんは耳の記憶がいいんだろう。この映画でも至る所から微かな音が聞こえてくる。漫画を描くときの音、”べとべとさん”のような水木しげるの足音、貯蓄が残り僅かであることを知らす米びつの音。なかでも、静かな部屋に響く掛け時計の音が良い。そしてその時計が質入れされてしまうことが切ない。でも、映画のおわりにしっかり同じ音が聞こえてくるのが嬉しい。音が聞こえて、その後に音の正体が捉えられる。この映画における音は気配。何かを報せる気配。それは、どこか妖怪と似ている気がする。
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