『俺たちに明日はない』
アメリカン・ニューシネマの先駆的作品。
アメリカ映画界を変えた映画。
原題『Bonnie and Clyde』
邦題『俺たちに明日はない』
原題『Butch Cassidy and the Sundance Kid』
邦題『明日に向って撃て!』
どちらもアメリカン・ニューシネマ期に生まれた作品。
原題と邦題の組み合わせに似たものを感じる(笑)
本作は銀行強盗であるボニーとクライドの逃亡劇。
クライドは刑務所を出たばかりの男。
ボニーはウェイトレスとして働いている女。
犯罪に身を投じていく男女の生き様、その潔さ。
「商売は銀行強盗」というセリフがきまっている。
ボニーを演じたフェイ・ダナウェイのファッションが魅力。
ベレー帽がこんなに似合う女性いる!?
と思っていたら、本当に映画をきっかけにベレー帽が流行したらしい!!
彼らの仲間になるC・W・モス役のマイケル・J・ポラードの愛嬌も素敵。
ボニーとクライドのキャラクターを引き立てている。
主人公たちの出会いのシーンが好きだ。
ボニーに向かって、クライドが
「君は普通じゃない、普通を望んでない」
と本人に悟らせるように伝える。
果てしないものを追い求めることだけを生きがいにしていく彼らの人生がはじまる。
アクセル全開。急加速。
この衝動は誰にも止められない。
「明日はやってこないかもしれない」という命の恐怖と隣り合わせで生きながら、「明日はないのだ」と運命を受け入れて自分を貫く。
ボニーとクライドは恋愛関係にどっぷり浸かるわけではなく、だからといって男同士のバディもの特有の体力勝負が目立つわけでもなく、絶妙な距離感と最適なトーンで展開されるので、観ていてすごく気分がよかった。
こんな男女の描き方こそ新しい映画“アメリカン・ニューシネマ”である。
ボニーとクライドの命と引き換えに、私たちは永遠の興奮を手に入れた。