ダースポール

麻雀放浪記のダースポールのレビュー・感想・評価

麻雀放浪記(1984年製作の映画)
5.0

ギャンブルに溺れた、ろくでなしの物語。
でも、こいつらは憎めないろくでなし。
なぜなら、戦後の荒れ果てた日本で、底辺をはいつくばり必死に生き抜こうとしている、ろくでなしだから。

けど、所詮はろくでなし。共感できない部分も多く、そこでのジレンマには、切なさと侘しさを感じてしまいます。

ろくでなしに惚れ女にも感情が入りました。


完璧で素晴らし過ぎるこの映画のMVPは、出目徳を演じた高品格。
静かだけど、怖い。凄い迫力でした。
"天気の話"をするシーンでは、背筋がゾクゾクして身体が震えた。

しょーもないタラレバ話だけど、もし日本で『ゴッドファーザー』を作ったなら、ドン・コルレオーネを演じる俳優さんは、彼をおいて他にいなかったと思う。

それと、『男女七人夏物語』の前かな?、大竹しのぶも可愛かった。


本当に素晴らしい映画でした。

真摯に作られた、日本の誇る完璧な芸術作品です。
だから、『麻雀放浪記2020』は許せなかった。