いやぁー、吃驚した。傑作。
麻雀放浪記→麻雀放浪記2020を観てがっかりした人は多いだろうけど、私は2020→こちらを観て、何てこったと唸ってしまった。こんないい映画をどうしたらああなった。
敗戦後すぐの混乱期、荒れ果てた東京の街並みがリアルに迫る。煙草の煙が立ち込めた麻雀卓を囲むアウトロー達の因果。まさしく命を削って牌を打つ一挙手一投足の緊迫感に痺れる。賭博場のヒリヒリとした緊張感とそこに集う男と女のやり切れない切なさ。そうでしか生きられなかった者達の悲哀に満ちながらもなぜかそこにはロマンがあり、生命力に満ちている。陰影豊かなモノクロ映像のお陰で戦後まもない時代にタイムスリップするような感覚がある。
真田広之の茫洋、飄々とした魅力。
鹿賀丈史のドサ健が渋い!悪過ぎる!
加賀まりこの妖艶な美しさが凄い
大竹しのぶの健気な愛くるしさ。
出目徳役の高品格の絶品の味わい。
あのトンデモ映画のお陰で、逆にこの映画を観るキッカケになったことの幸運に感謝。機会があったら是非。