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リード・マイ・リップスのmingoのレビュー・感想・評価

リード・マイ・リップス(2001年製作の映画)
4.1
オリビエ・グルメ出てて、こんな上手い映画作り魅せられると思い出すのはダルデンヌ兄弟。オーディアールは社会派なのにその都度ある題材とファンタジー要素(もしくは寓話的エピソード)を絡めた話作りが非常に上手い。ダルデンヌに匹敵する良さ。ディーパン早く観たい

真夜中のピアニスト(ピアニスト×ヤクザ)は個人的に構成がお気に入り、預言者(刑務所犯罪者×ムハンマド)はもはや流石、本作リードマイリップス(難聴×読唇術×ラブ×サスペンス)は一層にも増して気に入った。ラブストーリーと思いきや、クライムサスペンスに持っていく手腕はぜひ多くの人に観て頂きたい。

主人公の35歳の女性の身に突き刺さるような孤独と、反対に根っからのワルで社会に馴染めないが不器用ながらも希望を見出そうとするヴァンサンカッセルの飢えた目力など、2人の相性の不思議さに目を奪われる。最狂で最高にクールな2人のDVDジャケカッコすぎる。

難聴で大事な場面なのに補聴器外してるトイレの中だったり、読唇術ができるという技から繰り出されるサスペンス展開がイチイチ優秀なので、目を離す隙すらない。つまり「聞こえない」という装置の使い方が全編を通してスリリングで面白い。

またポールの保護司の妻が行方不明になるというサブプロットも絡ませたストーリーなのだが、意味不明という感想が大半だ。これは暗にほのめかすおフランスならではの描写だったように思う。ラストで警察に捕まってるのを見る限りそういうことなのだろうが、誰もが持っている表と裏の二面性、心に病を抱えた社会などを彼を通じて痛烈に描き出しているように私は感じた。

観終わって映画の余韻が残る中、思うことは、リードマイリップス、なんて洒脱で素敵なタイトルなのだろう。ということ。傑作。