陳知春

フロウ 〜水が大企業に独占される!〜の陳知春のレビュー・感想・評価

4.0
7月5日に衆議院で水道法改正案が可決され、このドキュメンタリーで描かれている状況が日本でも現実化し始める。基本的な生命線である水を、利益対象にしてしまった場合、国が利益を度外視して再分配しなければならないものが、維持できなくなる可能性が高い。「美しい国」などと言う安倍政権だが、実際はアメリカや様々な外資系の犬であるのは周知の事実だ。彼らが国民のことを考慮せず、自分たちの利益、ないしは自分たち想像する日本を作るためこんなことにまで手をつけるのは本当に笑える。ただ、ドキュメンタリーで出てくるアフリカの国々やボリビアなどと違い、日本は老朽化した管の交換に主な焦点がいくので利益が回収できない地方はそのまま放置される可能性が高い。思えば、ヨーロッパの植民地時代に、いち早く近代化を達成した日本という国が、ある種の嗅覚を用いて新自由主義が跋扈するグローバル化の時代に対応しようとして、少子高齢化などでどうしても縮小せざるを得ない国を小さくまとめようとしているのか。とにかく、もうこれからは日本という国は無くなるのだろうと、このドキュメンタリーを見ながら思う。
陳知春

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