心が苦しくてザクザクするような部分と、その中で純粋で脆くて危うさを感じる退廃的な美しさが同居するシーンの描き方が岩井俊二らしく、短時間の作品なのに数日じわじわと後を引き心に染みを残す。
冒頭で綺麗に並べられた薔薇の花を高級車が踏み潰していくシーンしかり、美しさだけ描かない感じ、気持ち悪さや絶望感が人生をありのまま描いている感じがする。
Charaの存在感と甘くて透明な感じは作品には不可欠でスワロウテイルもしかり、岩井俊二作品にマッチしていた。浅野忠信の存在感と演技も良い。
仲間の脱落で描く塀の外では生きられない描写と妄想の中の先生が怖い。
退廃的な美しさの中でピクニック中の地球最後のキスと空想のサンドイッチ食べるシーンが可愛かった。
『私が罪を洗い流してあげるよ』からのラストが、上手くいかない人生そのものみたいで、美しく儚く描かれているけど残酷な感じ、好きな人は好き。
オルタナティヴな独特な世界観◎