フランソワ・オゾンの「婚約者の友人」を観てから原作としてずっと探していた。有難うアマプラ!
第一次大戦で若いドイツ兵を殺した若いフランス兵士の苦悩。
一言で言ってしまえば戦争の悲劇なのだけど、殺してしまったドイツ兵の家族に会いに行ったことで息子を失った父親、母親、残された婚約者の気持ちに触れ、ついつい嘘を言ってしまう。
戦争であっても人を殺した事に苦しむ青年に「義務を果たしただけなのだから苦しむことは無い」と答える神父。これは神父の言葉としてどうなの?
母親たちは息子が何処かで生きていると思わないと生きていけないと言い、父親は意気揚々と息子を戦場に送ったことを悔やむ。
国と国の戦争なのに相手国の民間人を憎む事に気持ちを切り替えて憂さ晴らしをしてるいる愚かさ、虚しさがだんだん見えてくる。
「婚約者の友人」とは全く異なるエンディング。ある意味かなりの衝撃。
このフランス青年は苦悩から解放されるの日が来るのだろうか。
息子を亡くした両親に穏やかな日が戻るのだろうか。
エルンスト・ルビッチの骨太な描き方に魅せられた。