しらす

回路のしらすのレビュー・感想・評価

回路(2000年製作の映画)
4.0
インターネット黎明期
ノスタルジーに浸れる近過去ムービー
黒沢清監督

「回路」

訳が分からないと
訳が分かるの間にあるような映画。
正直好き。

00年代初頭の空気感が素晴らしい。
重ね着にノースリーブ、モー娘。の様なファッション。財布チェーン。
ノスタルジックに浸れる映画ですね。

インターネットが家庭でも、普通に使える様になった頃の‥この何とも言えない不穏な空気は非常に分かる気がします。
それをリアルタイムで黒沢監督らしいホラーに落とし込んだ作品かな。
流石というか。
こういう、現実が崩れていく過程を描くのが本当に上手いですね。不気味な雰囲気が段々癖になってきます。

川島(加藤晴彦)とミチ(麻生久美子)の二つの物語が交差していくという構成も良い、孤独というのがひとつのテーマなんでしょうね。
誰かと簡単に繋がる事でより孤独が浮き彫りになるという。
インターネットが当たり前になった現代でも刺さる人が多い映画なんだと思います。
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