マツシマ

回路のマツシマのレビュー・感想・評価

回路(2000年製作の映画)
2.4
なんやこれ


どこぞの植物屋?で働いていた男の子が音信不通になる
心配した主人公1(麻生久美子)が様子を見に行くと何やらボーッとした感じになっていた
「も〜心配したよ〜」という主人公のすぐ横で彼はいきなり首吊り自殺
一方、今流行のインターネットでもしてみんべぇと頑張って接続したら「幽霊に会いたいですか?」というめちゃ怖なサイトに繋がってしまいビビった主人公2(加藤晴彦)は、大学でその話に興味を持った女学生(小雪)と出会う
この頃から、人々が突如として自殺、黒い「シミ」のようになってしまう怪現象が世界で起こり始める……



いや………は?
はぁ?
あらすじからして、なに?

セリフから読み取れる情報量が少な過ぎて、背景を想像するしかない映画なのですが、それにしても難解、というよりは不親切
それが全体の不気味な雰囲気をいや増していて、有効ではあるんですが


本当に映像のトーンや
静けさ、かと思えば妙な効果音の上手さ
とにかく雰囲気はバツグンで
和ホラーゲーの様な雰囲気……
いや、順序が逆で、この映画こそが和ホラーゲーなどに通じる「不気味な映像とはこういうもの」という1つのモデルになっているのではないだろうか
割と古い映画なのに、そこに古臭さはなく
むしろ「幽霊ってこう見えるんじゃないだろうか」と思わせる「生々しさ」さえ感じてしまう(もちろんそんな生々しさは錯覚なハズなのに)

この一連の不気味映像群を見るだけでも価値はあります


ただなーーーー
話はちょっと、スケールの割に描写がミニマムで好みではないんだよなーーーー
「どんな異常なことが起こっていても観測出来るのは自分の範囲内」
というのはその通りだし、それが良さでもあるんだけど、好みとしてはもうちょっと俯瞰で見れる要素が欲しかった……
主人公が同じよーなとこ行ったり来たりし続けるのも飽きる
話が全く進まねえ

みんな話してることが観念的なとことか、厭世的な風情も、公開当時に見ていたらまた違った印象だろうか

皆が皆スマホを持ち、インターネットに誰もが常時接続し、SNSにより情報が即座に共有される速度の、2020年という世界でこの映画を観ると、どうもしっくりこない
そんな終末思想をとっくに超えた先に現実があって、私達はそこを生きているので……
(終末に至る設定はめちゃ面白いけど)


さすがの黒沢清監督で、絵面的に見応えバッチリなんだけど、全体的にモッサリした映画でした



頭吹っ飛ばした死体がそんなにキレイなワケあるかい!!!!!!
人おらんなったからいうて車もいなくなり過ぎやろが!!!!!

武田真治、何だったの?

小雪変わらなさ過ぎじゃない?
それが一番怖いわ