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格闘技オリンピック 四角いジャングルのKKMXのレビュー・感想・評価

3.0
 逆方向のど真ん中ッッ!

 梶原一騎プロデュースのプロレス・空手・キックをまとめたドキュメンタリーっぽい3部作の最終作。端的に言うと「ハ?!なにコレ?」な本作。謎の浪人生のモノローグに『腕っ節日本一』という素人の大会が前半〜中盤を占めており、クソ面白く無い。アウトサイダーとかブレイキングダウンみたいに選手のキャラも立ってないし、なんだコレは?意味不明。こんなモンを観せられるとはまさに地獄のど真ん中!ゴマシオ百年の孤独!

 シリーズを通じて推している天才キックボクサー・藤原敏男の試合はわずか30秒くらい。ワンパンでキック日本王者を沈めるのは流石神様。本シリーズを観て一番印象に残ったのは藤原敏男ですよ。2番目はベニー・ユキーデ。しかし、この2人の対決、ずっと煽ってたクセにやらないでやんの!ユキーデ自体登場しないし、なんなんだ?!
 ただ、対決があったとしたら、藤原が勝ちそうだ。ユキーデで魅力的で優秀な選手ですが、藤原敏男は歴史的な選手、という印象。藤原スゴい。

 猪木はパラオで合宿。21世紀初頭も猪木は藤田和之を連れてよく行っていた印象があります。それで帰国すると東スポで「ムフフ」とか言って、有る事無い事言い散らかしていたような。しかし、猪木は島をプレゼントされていたとは驚き!イノキアイランドってまんまですがなかなかのパンチラインです。槍で突かせてそれを躱すという特訓のノリは、後の美濃輪育久に引き継がれていると言えましょう。

 クライマックスは熊殺しウィリー・ウィリアムスvs猪木。会場は盛り上がりまくりだが、何故か寝技が5秒以内という未来人的にはまったく乗れないルールで、ブックありもわかっているためフーンという感じ。未来人が観る猪木の異種格闘技戦は、ネタバレしたミステリー映画を観るようなものです。
 しかし、テイクダウンからあっという間にパスガードする猪木のグラップリングスキルは流石に非凡!なんつーか、ガチでやってほしかったね、ガチで!猪木ってシュートはあってもブック無しのガチってかなり少ないんですよね確か。アリ戦ともうひとつくらい?しかし、アリ戦やグラウンドの動きを見る限り、すでにMMAの戦い方をしているのでもっと猪木のリアルファイトが観たかったです!
 で、当時からこんな風に思っていた連中がやがてプライドとかを作っていったんでしょうね〜。やはり猪木は偉大!オオ……恐れ入谷の鬼子母神ッッ!

 というわけで3部作はこれにて!カ…カテェ!
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