1930年代からもう一本
1930年代は魅力的な吸血鬼映画が他にもあります。
トッドブラウニング監督とベラルゴシの『古城の妖鬼/Mark of the Vampire』(1935)
ユニバーサルスタジオのドラキュラシリーズ2作目『女ドラキュラ/Dracula's Daughter』(1936)
どれも捨てがたい作品です。そんな中、私が私のために厳選した1930年代の2本目が、本作カールドライヤー監督の『ヴァンパイア』です。
まずなんと言っても題名ですよね
私が観たのは🇫🇷🇩🇪合作の『ヴァンパイア』パッケージにそう書いてありました。でも『吸血鬼』という題名で紹介されていたりもします。filmarksでも『吸血鬼』です。『ヴァンパイア』と『吸血鬼』この二つが同じ映画を指しているなんて、最初は気付きませんでした。だって🇮🇹にも『吸血鬼』という映画がありますし、これとは別に、ロマンポランスキーの『吸血鬼』ってのもありますからね。
おかげで検索しまくりましたよ監督のカールドライヤーさんで。
そしたら出てくる出てくる
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こう、髪をくるくるっとね。
カールドライヤーはピンキリでした。
不気味な村
ひなびた宿屋
鍵をかけたはずのドアがゆっくりと開く
音に気づいた主人公が半分だけ身を起こしてドアの方に目を向ける
ゆっくりとゆっくりと開いていくドア
その向こう側から見知らぬ老人が部屋に入ってくる
凝視することしかできない主人公
その目には恐怖がありありと見てとれた
靄が、とにかく靄がすごい。雰囲気は最高ですね。淀川さんが目で怖がらせる監督って、しきりに解説してましたがまったくそのとおりでした。
女性の姿に見えていた宿屋の看板を再び目にすると、断末魔をあげながら喉?心臓?を突き刺されている老人に見えてくる不思議。
影だけが歩き回ってこの世をうろつく様は、まるで幽鬼のようだった。本体を持たぬ影、本体のもとを離れる影、分離する魂などの映像表現はとても新鮮でしたし、とにかく不気味でした。
不思議な書、不可解な死、怪しい老婆。観賞中はずっと、なぜ?なぜ?につきまとわれていました。ちなみにこの老婆のことを、ずっと男だと思ってましたし…
セリフがかなり少な目で、それでいて画面いっぱいに霞がかったようなこの映像。特に終盤が難解すぎて初見では理解できませんでした。だってそうでしょう。⚰️の中の男が誰なのかさえ、すぐには分かりませんでしたからね。
なぜ死んだのか、どうやって死んだのかわからぬままの疑問符だらけの結末に、完全に置いてけぼりにされてしまいました。なんとも靄がかかったような映画でしたが、幻想怪奇という意味では充分楽しめました。
観賞後、ネタバレ探して読んでみたら、そのストーリーはわからなくもなかったですが、やっぱりわからないや。これ、一発で全て理解した人がいるのなら、素直に尊敬します。