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吸血鬼のmuscleのレビュー・感想・評価

吸血鬼(1932年製作の映画)
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最高。死んでから延々続いて「はて俺はいったい何やってるんだろうか」みたいなショットすらある『河童の三平』映画?。棺の中と空のカットバックからめちゃくちゃリッチな横移動まですごく今めいてる。ひとりでにまわる鍵🔑から書物を開いて現実の事象との対比になるところからずっとヘンな映画。歯車の停止で終わるってなに。死んでから半透明になった主人公が蜂の巣状の格子ガラスをガチャガチャやってる様子が内側からだとくっきり映されるみたいなの、すごいアイディアだと思う。怪文書を行動原理にしてる主人公が、街の端々でその通りの事象やモチーフを目にしていくってストーリーもなんか古すぎて新しい。ラストの湖畔と霞みがかった画面と娘と粉まみれで死に行く医者と停止する歯車ってすごいスピッツの歌詞みたいな世界観。おもれぇカット撮れたから入れとくか!みたいな勢いもある。
恐ろしいのは淀川長治のあらすじが全然違う上にWikipediaも意味不明のあらすじだし、Filmarksの感想もみんな全然違うこと。ニコラ・ド・ガンズビュールの人生すごいなー。
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