♪何回泣いた?今まで君は
涙にねぎらいのキスを
何回歌った?
喜びの歌を 心の底から
(HOLY NIGHTにくちづけを/B’z)
…なんて珍しく歌詞の引用から始めてみました。と言うのも、観賞後に連想したのがこの曲なのです。まあ、本作の印象に上手く合致しているかは分かりませんが、曲の方もお薦めです。
それにしても。
ヒロインであるシャーリー・マクレーン。
破壊力十分の笑顔でした。いやぁ。彼女に振り回される気持ちが痛いほど分かりますね。思わずドキがムネムネしちゃいますからね。エレベータのボタンを押すだけでも可愛いのです。くぁっ。
正直なところ、鈍感な主人公には勿体無いです。そもそも“自室がラブホテルのように使われる”というのは、恋人がいない立場ならば身悶えするほどに屈辱的な出来事。枕やシーツからシャンプーの香りが漂ってきたら、思わず布団を噛んでしまうほどに切ないと思うのです(勿論、“コト”が終われば交換しているのでしょうけど)。
それなのに彼は気にしないのですな。
気にするどころか、出世の手段として使う始末。もうね。鈍感を通り越して強かですよね。でも、狡賢い…わけじゃなくて。他人から誤解されても飄々と彼女をかばったりする部分もあるのですな。お。結構、格好良いじゃないですか。
まあ、そんな二人の恋物語ですから。
じんわり、やんわりと。生温かい目で見守ってあげれば楽しめる作品だと思います。ただ、やはり恋愛ドラマは“究極の生もの”。世相を反映しやすいジャンルですからね。現代の価値観で過去の恋愛観を判断するのは正しい行為とは思えません。
だから、終盤の展開に首を捻っても。
それは当時の価値観ならば致し方ないこと…なのだと割り切る必要があるのでしょう(と自分を言い聞かしてます)。
まあ、何はともあれ。
恋愛ドラマは主観的に楽しむもの。
登場人物に共感できるとか。
思わず惹き込まれる場面があるとか。
そういうことが一番重要ですよね。