ぬーたん

アパートの鍵貸しますのぬーたんのレビュー・感想・評価

アパートの鍵貸します(1960年製作の映画)
4.3
『お熱いのがお好き』の翌年1960年の作品。
同じくビリー・ワイルダー監督、ジャック・レモン主演。
最高のコンビ!
今作はコメディー要素は少なく、シリアスなドラマに仕上がっている。
ただ、そこはレモン、ちょっとした仕草や踊ってる姿だけで、面白い。
有名なテニスラケットのシーン。
時々、スパゲッティーを茹でてると、このシーン思い出すわ。
後で1本だけ残ってるパスタを指にクルクルするシーンなんか、上手いよね。
お相手フリン役はシャーリー・マクレーン。
今も健在の彼女がまだ20代半ばで、可愛らしいこと!
ショートヘアーにまつ毛はクリリン、綺麗な瞳。
ムチッとしたふくよかな身体。
レモンはちょっと気の弱い平社員、バクスター。
自分のアパートを上司管理職の4人に貸しているのも断れないから。
出世の約束に期待しつつ。
この管理職たちはアパートを不倫に使用。
当時はラブホがなかったのかな?
それとも経費節減?
この又貸しをスケジュール表に書いていて、それを捲りつつ、回る電話帳で探して連絡、調整しつつ、風邪で鼻をかんでいるレモンの速い動きや表情が可笑しい。
そこに5人目のシェルドレイク登場。恋敵だ。
この役を演じた俳優さんが体格が良く長身で、レモンがますます小さく惨めに見える。
今ならあり得ないセクハラとパワハラの嵐。
気に入らない社員は即日クビだし。
部下は上司にヘーコラしていなくては生き残れない時代だった。
そこで思い出したのは、平均(たいらひとし)
『ニッポン無責任時代』が1962年だから、ほぼ同じ位の作品で、バクスターと見比べるのも面白い。

2時間とやや長く、途中はちょっとダレる感もあるが、面白さは持続。
良く出来た脚本と俳優さんで、今なお全く色褪せていない。
今回はレンタルしたが、そのDVDに【オリジナル劇場予告】というのが入っていて、観てビックリ。
いきなりラストシーンから予告が始まっている。
別にサスペンスでないからオチもないけど。
まあ、ジャケットもそのラストシーンだから、きっと大して気にしてないのね、誰も。
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