松井

アパートの鍵貸しますの松井のレビュー・感想・評価

アパートの鍵貸します(1960年製作の映画)
4.0
あらすじを知らなければパッケージを見て同棲した男女の話かと想像する方もいるのではないだろうか。だがその想像は見事に外れて面白いコメディ恋愛だった。



保険会社に勤める若手のバクスター(ジャック・レモン)は独身者用のアパートに暮らしていた。上司達にアパートの鍵を渡して不倫部屋として活用してもらっていた。その見返りとして昇進を狙っていたが…………世渡り上手のバクスターが恋の世渡りもうまくこなせるのか見所な映画。






以下ネタバレ感想★★★★


登場人物がどうしようもない連中ばかりだが特に笑えるのは部長。涼しい顔してバクスターを叱るのかと思いきや自分も部屋を貸してほしいと遠回しにおねだりするところ。


しかも部長の狙っているのがバクスターが片想いしてるエレベーター係のフラン・キューブリック(シャーリー・マクレーン)なのがワクワクドキドキさせる展開に結び付く。


バクスターはフランを口説くのに個人情報を暴露するのが笑えるけど今の時代にやったらドン引きだろうなと思いつつ、この辺りで時代を実感する。



フランは部長の都合の良い女性として扱われているのが不満で自殺未遂を起こすシーンでコメディ感は薄れシリアスな恋愛映画とシフトチェンジしていく。


断れない性格のバクスターに呆れていたけど最後は部長のおねだりも断り、会社を辞める決断力は見直した。全てを失い同情したけど最後にフランがアパートに駆けつけたのはほっこりした。銃声と勘違いさせる演出も良かったかな。



仕事はいくらでもあるけど愛する人は唯一無二。出世と恋愛を天秤にかけた三角関係が面白い映画だった。

しかしフランの魅力はよくわからない感じ。見た目は良いけど中身は軽い。
松井

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