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イージー★ライダーのDJkokiABEのレビュー・感想・評価

イージー★ライダー(1969年製作の映画)
4.8
R.I.P. ピーター・フォンダ
2019年8月16日、ロサンゼルスの自宅で、肺がんによる呼吸不全で79歳で死去したピーター・フォンダを追悼してこれまで何度も観て大好きな作品でしたが未レビューでスコアだけだったのでレビューを書きました

冒頭からコカインの密売現場で始まりBGMがステッペン・ウルフのプッシャー(密売人の意味)が流れる
続いてステッペンウルフの「ワイルドでいこう」が流れてのタイトルコール

ワイルドエンジェル出演後のピーターフォンダに「もうバイク映画はやめよう」とデニス・ホッパーは話していたのに、その後、ホテルに戻りマリファナを吸って朦朧とする頭でセックスとバイクと麻薬の映画の構想が閃き、感想を聞かされたデニス・ホッパーが金は?(資金は?)と聞いたら「君が監督で僕が製作、2人で脚本を書けば安く作れる」と言われて1969年に公開された低予算だがアメリカと映画に対する意識を大きく変えるアメリカンニューシネマを代表するバイク映画が誕生した

製作秘話から既にワイルドである
大衆向けの作品が発表される中、視覚芸術や音楽とか創造文化が開花して最高潮を迎えてた時期だったのにサンフランシスコのヒッピー文化ほとんど描かれていなかった
本作は当時のヒッピー文化を描いた記録的作品でもあり、もともと3時間だったものを泣く泣く90分に再編集したそうです

みんながラリってる中、脚本をまとめたテリー・サザーンが現実的な対応をしたから秩序が保てたらしい

プロデューサーから「ヒーローにLSDは似合わないからマリファナに」と言われ「トラック3台の葉っぱを運べない」と答えた
バイクじゃそんな大量に運べないからコカインにしたそうで、ヘロインだと聞こえが悪いし、コカインならごまかせるからね とデニス・ホッパーは語っていました

墓地でのLSDの摂取シーンはシラフの人は何これ?って思うかも知れませんが、昔、合法だったマジックマッシュルーム等のサイケデリックドラッグを経験した者にはわかるリアルな描写でこれも多分デニス・ホッパーがこだわりたかったシーンだったと思います

最初の麻薬の売るシーンにフィル・スペクターを使ったのはフィルがデニスの友人でロールスロイスを持っててタダでボディーガードも使えたからだそうです

ピーター・フォンダはABCレザー社のライダースと革パンはずっと着ていて風呂にも入り濡らして乾かしたらピッタリでまるで皮膚みたいになったそうですが、あまりにタイトでずっとチョッパーのバイクに乗る姿勢をしていた為、ジョッキでビールを飲もうとしたが革が硬くて腕が曲がらなかったそうです 笑
やはりライダースはタイトな方がカッコイイし、お洒落は我慢と自分に言い聞かせます

挿入歌に新曲はなくピーター・フォンダやデニス・ホッパーが慣れ親しんでた曲を映画のシーンに選んで採用しましたが見事にハマっています
クロスビー、スティルス&ナッシュが曲を書いてくれる予定だったが試写を見終わったスティルスが「これには勝てない。近づけもしない、完敗だ」と言ったそうです

ピーター・フォンダを追悼して「ワイルドエンジェル 」や「The Trip 」なども観直そうと思っています
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