アメリカのどこかの田舎町…旅をしてきたらしい髭面の大男がチョッパーを町外れに停める…
ポーチに座っている老人が声をかける…
「兄さん…そいつは空も飛べるのかね?」
大男は見かけによらず優しい静かな声で答える
「いいえ、ミスター…こいつは空は飛べないんですよ」
この映画の中に出てくるシーンではない😁💦
昔読んだ小説か何かのワンシーンだ。フロントフォークを長く伸ばしたバイク…チョッパーはガキんちょだったおれにとってまさにアメリカの象徴だった。
ブランキー・ジェット・シティの歌にもよく出てきた♪
この「イージーライダー」はこのチョッパーを世界中に有名にしたニューシネマ(懐かしい)の傑作だと言われてる。
映画小僧だったおれは周りの大人たちがえらく騒ぐもんだから「どれどれ」と観に出掛けた。
人生には時々…映画鑑賞ではなく体験になってしまうことがある。
これがそうだった。
アメリカの荒野の強烈な陽射しを浴びてクローム部品がきらきら光るオートバイたち…
出てくる男たちの不思議な佇まい…
どこまでも伸びる砂漠の一本道…
流れるロック…
ガキんちょだったおれはスクリーンに釘付けになった💦
まだeasy の意味を「簡単」しか知らない頃だ💦
簡単なライダー?
アメリカの知識もまるでない…ヒッピームーブメントも保守的の意味も分かってなかった頃…💦
映画としては何が面白いのかさっぱりわからなかった…カタルシスもなければ苦い感情だけが残る唐突なラスト💦
だけど「体験」だった…
老人は続ける…
「あんたはその飛行機に乗って何処に向かってるんだい?」
大男は答える…
「南の町で有名なチョッパー乗りが死んだんですよ…そんな彼のためにバイク乗りが集まってるらしいんで」
「葬式なのかい?」
「いいえ…パレードですよ」