広島カップ

イージー★ライダーの広島カップのレビュー・感想・評価

イージー★ライダー(1969年製作の映画)
3.8
自由なヒッピーはつらいよ!の時代。

ヘロインの売買で元手を手に入れL.A.からニューオーリンズに向けてカッチョいいバイクで旅に出たキャプテン・アメリカ(ピーター・フォンダ)とビリー(デニス・ホッパー)。
ビリーはヒャッホーな表情でしたがキャプテンは腕時計を投げ捨てニヒルに出発でした。
最近の脂っけの抜けたピーターからは想像もできない格好良さ。笑

この作品の大きな特徴は登場人物同士を結び付けている接着剤が御飯粒のように脆弱なこと。
まずもってこの主人公二人の友人(?)がどういう友達なのか?がよく解らない。
二人の間に昔何があって仲良く一緒にいるのか説明が無い。
道中道連れになる人達も簡単にくっついては離れる。
途中立ち寄ったヒッピーコミューンでも薄く人々と繋がる。
本作のハイライトの一つニューオーリンズに着いて買った娼婦との哀しいLSD関係も然り。
二人の生い立ちや家族についても触れない。
二人はどこから来たのか解らずアメリカの荒野のハイウェイを飛ばしあっけなく消えていく。
人との関係を拒否している訳ではなく薄いのがとても印象的。

星条旗を背中に背負ったキャプテンが1969年の自由の国アメリカの若者をある側面で象徴的している。
同年はアポロ11号が月面着陸する一方で泥沼のベトナム戦争から抜け出そうともがき、リチャード・ニクソンが大統領に就任し、ウッドストック音楽祭が開催され、ローリング・ストーンズのコンサートで人が死んでいた年の作品。