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ベルサイユのばらのblacknessfallのレビュー・感想・評価

ベルサイユのばら(1979年製作の映画)
3.0
映画秘宝のムック、底抜け超大作に載っててずっと気になってたやつ。TSUTAYA発掘良品入りしたと聞き借りてきた。

底抜け超大作てのは才能溢れるスタッフを集め、ふんだんに資金を投入したのにデキがへんちくりんだったり、ヘボベボな映画のこと。
これは本当に定義通りの底抜け超大作だね笑
監督と音楽のコンビなんか別の映画でカンヌ取ってるし、ベルサイユ宮殿でロケもあり、オスカル役はオーディションで4000人の中から選りすぐった美貌の新人。
コケる要素が皆無なのに大転倒した怪作だった。

秘宝の本にも書いてあったと思うけど、オスカル役のカトリオーナ・マッコールがあまりにも女性にしか見えないんだよ。
だから、オスカル絡みのシーンが異様にズッコケて見えるんだよな、、「えっオスカル様は女性だったのですか!」みたいに驚かれたりするんだけど、どー見ても女だから、男に見えてたおまえにびっくりだよ!とか突っ込まずいられない不自然さが笑
宝塚の作り込みの甘い男役を一人だけ普通の宮廷映画に放り込んだ感じのバランスの悪さが一番の致命傷だったんだと思う。

音楽はシェルブールの雨傘のミシェル・ルグランだけあって流麗か上品でフランス貴族の世界観にマッチしてたり、衣装も時代を体現してる豪華さもあり映画的に映えるとこもある。

けど、これやっぱ失敗作だな。底抜けすぎて逆におもしろいってほどでもないし。
ベルサイユのばらの膨大なエピソードをオスカル、アンドレ、アントワネット、フェルゼンを軸にしながらも無理やり詰め込み、または接着してるから、忙しなく無理やり食べ物を口に突っ込まれてるような感覚になる。消化はおろか味わうことも中途半端になっちまう、、笑
でも、これって最近のマンガ原作の映画でもよくあるパターンでそーゆー現代の負の方法論を先取りしてたとこは評価できるよね?できないね😂

この映画で思い出すのは年上の映画好きの友達がいるんだけど、出会った当初にその人が、公開当時ベルばらを観に行った話をしてくれて、「この人すげぇマニアだな」と思って色々話すようになったんだけど、実は全然マニアと言えるほどでもなく自分よりも観てない映画も多く、彼の映画の感想も自分から見ると物足りなく感じるのばっかりだったんだよ。
で、そんなおれの傲慢で自分勝手すぎる不満が爆発してしまい、忘れたけどなにかの映画の話をしてる時に「〇〇さんはマジでベルばらオンタイムで観ただけの男っすね~」とかなり皮肉な感じに言い放ってしまったんだよな💦
自分の中で猛省したんだけど、ちゃんと謝ってないんで今度ちゃんと彼に謝ろうと思いました。

あと、この映画が滑ってくれたおかげで4000人から選ばれた美貌のカトリオーナ・マッコールはスターの座を掴めず、以後ルチオ・フルチのグログロ・ホラーの名作、地獄の門とビヨンドに出演。
何でこんな美人がこんなホラーに続けてと思ってたんだけどそーゆーわけだったんだね笑
なかなか観ることできなかったけど、妙に縁があったベルばら観れてよかったです笑
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